ベンツ・BMW比較(ミドルセダン編)
ベンツ代表・Eクラス(W221 2002年-2009年)
概要
全長:セダン4,820-4,880mm、ワゴン4,850-4,920mm
全幅:1,820mm
全高:セダン1,430-1,500mm、ワゴン1,485-1,510mm
ホイールベース:2,855mm
最小回転半径:5.3m
エンジン:ガソリン・ディーゼル(V6~V8)
排気量:2.4L~6.2L
新車価格:600万円~1,400万円
BMW代表・5シリーズ(E60 2003年-2010年)
概要
全長:4,855mm(セダン)
全幅:1,860mm
全高:1,470mm(セダン)
ホイールベース:2,890mm
最小回転半径:5.7m
エンジン:ガソリンエンジン(日本仕様) 直列6気筒・V型8気筒
排気量:2.4L~4.8L
新車価格:600万円~1,000万円
中古車相場
ベンツEクラス(W221)
【例1】
平成17年式(2005) E350アバンギャルド
走行距離:5万~7万km
中古車相場:90万円~120万円
【例2】
平成15年式(2003) E320アバンギャルド
走行距離:7万~10万km
中古車相場:70万円~90万円
【例3】
平成18年式(2006) E500アバンギャルド
走行距離:3万~5万km
中古車相場:180万円~200万円
BMW5シリーズ(E60)
【例1】
平成17年式(2005) 525iMスポーツPKG
走行距離:5万~7万km
中古車相場:90万円~130万円
【例2】
平成15年式(2003) 525iハイラインPKG
走行距離:7万~10万km
中古車相場:60万円~100万円
【例3】
平成18年式(2006) 550iMスポーツPKG
走行距離:3万~5万km
中古車相場:180万円~230万円
中古車相場について
タマ数が多いのはベンツのEクラス。BMWの場合はこだわり条件が強いと車探しの段階で苦労する事も。
全体的な相場は同等となっていますが、BMWの5シリーズの方が、カーナビの性能やメンテナンス費用など、その当時の状態で比較すれば優れている面もあり、上限は高い傾向があります。
おすすめモデルは、両者とも2.5Lエンジンだと非力感があるので3.0L以上をおすすめしたい所です。
ベンツは3.0L~3.5Lの中古車が充実しているのに対して、BMWは2.5Lが主流となっています。
維持費で選ぶならBMWの2.5Lと3.0Lの直列エンジンモデルをおすすめしたいですね。
デザイン
ベンツEクラス(W221)
先代から引き継いだ丸目4灯のヘッドライトは、伝統的なデザインとも言え遠目から見てもベンツのEクラスだと分かる存在感は大きい。
Eクラスの名称の由来「エレガンス」にふさわしい、高級感と安定感があるデザインと言えるでしょう。しかし現行モデルは4灯ヘッドライトを採用したが形状を丸めから菱形に変更した事で、丸目ライトが型落ち感を出してしまっている傾向もあります。
どっしりとした印象が強く、AMGやロリンザー・ブラバスなどのカスタム好きなユーザーは現行モデルよりもW211の型を好む根強いファンも多いです。
BMW5シリーズ(E60)
先代と比べてエッジを多様した大幅なデザイン革新を行ったのが5代目のE60。
発売当初は賛否が分かれたが、現在の中古車市場においては近代的なデザインが高く支持されていて、4代目と5代目で中古車相場も開きが出ています。
現行モデルの6代目(F07/F10/F11)もエッジ多様のデザインを継続している為、型落ちとなったE60モデルも古びれた様子が出ていない。
ライバルのEクラス(W211)と比べるとシャープなデザインとなっていて、好みが分かれる傾向が強いです。
走行性能
ベンツEクラス(W211)
本場のドイツに行けばタクシーのほとんどがベンツのEクラスというほどスタンダートな車種です。
国産車でいうとトヨタのセルシオとほぼ同等のサイズがあり、後部座席の居住性・高速安定性を兼ね備えていながら、燃費も小回りも効く非常に実用性が高い車です。
W211のベンツで最大の目玉となったのがブレーキ。
当時のF1などでも採用されていた最先端のセンソトロニック・ブレーキ・コントロールのブレーキシステムを採用しました。
ブレーキペダルから、各ブレーキには油圧でつながってなく電子制御で行われている。
アクセルペダルを急に離すと急ブレーキに備えてブレーキパットとディスクの間の隙間を詰める。
雨が降ると水分を飛ばす為に僅かにローターと接触させて水分を飛ばす。
など安全性に長けている他、ブレーキローターにもこだわりの高い減速性能を誇ります。
しかし革新的なブレーキシステムを投入した反動もあり、発売当初はリコールを連発。
現在も故障が多くブレーキのメンテナンス費用が高いというネックがあります。
BMW5シリーズ(E60)
ベンツのEクラスと並んで世界中で高い支持を得ているBMWの5シリーズ。
V型エンジンが主流になりつつある同クラスの中でも、エンジン効率重視の直列6気筒エンジンのフィーリングを好むファンも多く、2.5Lクラスを選んでも、非力感があまりなく軽快な走りをしてくれます。
前後50対50の重量比となっていて、トラクションや発進時の付加が非常に高くなっています。
直列6気筒エンジンに対応させる為車体がEクラスなどライバル車よりも気持ち大きくなっていて、エッジを効かせたデザインなので、見切りが悪く日本の狭い道では窮屈感が強まりますが、高速性能では全幅とホイールベースが広い分安定性は抜群です。
走りがシャープですので広い道路を運転すれば、大きくて重たい車に乗っているような感覚はなく、思い通りの操縦が可能となります。
技術面では5代目のE60から採用されたアクティブステアリングが最大の特徴。
ステアリングギア比を走行速度によって変化させる可変ギアレシオ・パワーステアリングとなっています。
横滑り防止機能とも連携をさせていて、コーナリング時のロールの抑制など、誰が運転しても快適な乗り心地となる電子制御されたハンドリングは高い支持を得ています。
しかし、電子制御の最新システムを導入した事もあり、従来は故障が少ない部品だったステアリング機能も故障が多いというネックがあります。
居住性
ベンツEクラス(W211)
先代の2代目(W210)から後部座席の室内空間が大幅に改善されて本国でのタクシー需要も高まった経緯があります。
W211では先代よりも全幅とホイールベースを拡大され、広がったスペース分がほぼ室内空間の広さに充てられています。
このクラスの中でもエレガンスをコンセプトとしたグレードだけあり、高級感もありスポーツタイプのシートではなく高級趣向の日本人好みの ゆったりしたノーマルシートの設定が多いのも人気です。
全モデルにV型エンジンを採用している為、居住スペースが非常に高く、室内高もしっかり確保しているので身長180cmクラスの人でも余裕を持って乗車できます。
ただし、モデルによっては全高が1,500mmとなり国内の機械式立体駐車場にギリギリ入らないケースもあるので注意が必要です。
BMW5シリーズ(E60)
E60以降の5シリーズ全体が位置づけとして3シリーズ(コンパクトセダン)の上というよりも、7シリーズ(上級セダン)の下という位置づけになっていて、クラスでもトップクラスの車格を要します。
もちろん居住性も非常に高く、ワンランク上の車を乗っている感覚ができるくらいゆったり乗れます。
ただし、Eクラスと比べて全幅やホイールベースが長い分その差が全て居住性に回っている訳ではありません。
MスポーツPKGが主力となっていてスポーツシート装着車の比率が高く、全体的にベンツのEクラスよりもスポーティーな部分を求めている人が好む傾向もあります。
アフターパーツ
ベンツEクラス(W211)
純正設定のAMGスポーツPKGから、AMG用モデルの流用・ベンツ定番のブラバスやロリンザー仕様へのカスタムなど、アフターパーツは非常に充実しています。
中古パーツも充実していて、アフターパーツではこのクラスでもトップレベルの充実ぶりといって良いでしょう。
BMW5シリーズ(E60)
定番となるのがアルピナで、その他にも本国発症のアフターパーツメーカーは複数あります。
Eクラスに比べるとアフターパーツの取り扱い店や中古パーツの流通量は少ない傾向があります。
特にBMWの場合はスポーティーさを求めるユーザーは3シリーズ。
ラグジュアリーを求めるユーザーは7シリーズに流れる傾向があり、5シリーズは主要なラインナップの中でもアフターパーツの充実度は少ないです。
総評
私の総評としては、トータルで判断してEクラスの3。0L以上のモデルが一歩リードしている印象。
しかしデザイン面では、先代から引き継いだ印象が強いEクラスよりも、革新的なデザイン変更を行い現行にも継承されたデザインのBMWの方が中古車としての価値は高く評価できます。
維持費もE60以降のBMWは部品代が安くなるなどコストパフォーマンスも強いです。
デザインを重視したり2.5Lクラスを希望するのであればBMWの5シリーズがおすすめできます。