金持ちはなぜ4枚の中古メルセデス?
今回のテーマは金持ちの社長はなぜあえて中古のベンツを好むかです。
お金持ちといえば、高級車。そして新車の高級車を買うというイメージが強かったはずです。
お金持ちに新車を購入してもらって、飽きたクルマが中古市場に流れて、新車では手がでなかったクルマが庶民にまわってくる。
そんな構図がクルマ社会のひとつの生態系だったはずです。
21世紀に入り、10年以上過ぎてそういった流れにも一つのフェーズが訪れているようです。
確かに流れは変わってきました。お金持ちの社長であってもプリウスを好むなどクルマに経済性や低燃費性を求めるようになってきました。
「お金持ちがそんなしみったれた考えで消費をするのか?」そんな風に思われるかもしれません。
しかし経営のむずかしさを知っている社長であるからこそお金に対して厳しい一面を持っているのです。
ポイントはこういったお金持ちの社長はクルマを栄光や富の象徴として所持しているわけではありません。
例えば起業する前、下積み時代に「俺もいつか成功して高級車を購入してやろう」というような若き日の志でクルマを購入しているのではなく、明確な目的があってクルマを購入するのです。
会社を束ねて経営する社長であるからこそ、4ドアの中古ベンツを買う理由があるのです。
なぜフェラーリではなくベンツのセダンなのか
高級外車といってもさまざまなものがあるでしょう。
BMW、アウディ、ジャガー、ベンツとお金持ちを象徴するだけなら言ってみればどれでもいいのです。
しかし中古の4ドアベンツを買うような社長は、必ず選んで中古の外車を購入しています。
というのは、社長にとってクルマというのは事業用としてクルマと認められる必要があるのです。
スポーツカーの象徴であるようなフェラーリなどの2ドアのクルマは事業用としては認められにくい傾向があるのです。
そうです。社長は自らの趣味として中古のベンツを買うのではなく、会社の税金対策として購入する必要があるのです。
メルセデスに限った話ではありませんが、特にドイツ勢は「見た目はフツーのセダン・中身はモンスターエンジン」いう特別仕様のグレードを設けています。(ベンツ=AMG、BMW=Mシリーズ/アルピナ、アウディ=RSシリーズなど)これらは国産スポーツカーを一瞬でバックミラーから消し去るほどのパフォーマンスを誇りながら、4枚ドアであることから法人車として経費扱いで所有できる可能性が高いということもあり、人気を集めています。
税金面での優遇
税金面での優遇というのは、主に減価償却の問題です。
主に企業などで設備投資などの支出を、その設備や資産などを利用した期間にわたって費用配分するというものです。
ビルやクルマ、ソフトウェアなどが対象物です。ここでいう社長が購入するベンツも会社の事業車として減価償却の対象になります。
ここにポイントがあって、新車で購入するよりも中古車として購入した方が減価償却で有利になるのです。
同じ予算で償却に6年かかるとしたら、中古車の場合はそれよりも早く償却できることになります。
ゴルフなどでの利便性
会社の社長といえばゴルフ。経営者の嗜みとして取引先の顧客や業者も交えてゴルフコンペなんてことも少なくないです。
中古で買った4ドアベンツはゴルフをするための利便性も考慮すれば一石二鳥のことでもあるのです。
4ドアセダンといえば居住性と走行性能、積載性のもっともバランスの取れたモデルとして有名です。
もちろんより多くの荷物を積もうとすればステーションワゴンやミニバンなどが必要ですが、4ドアセダンでもゴルフバックの2つや3つは入ります。
メルセデスベンツのEクラスにもなれば4つのゴルフバッグを積み込むことも可能なんです。
いかがですか?
なぜお金持ちの社長が中古の4ドアのベンツを購入するのかご理解いただけましたか?
フェラーリなどの高級スポーツカーでは代用の利かない節税テクニックがそこにあるのです。
減価償却を有利に行うには新車ではなく、中古車を購入したほうがいいなんて庶民には気が付きませんよね。
会社の収益が大きくなり、健全で安全な経営を行いたいと考えるお金持ちの社長ならではのアイディアといえるでしょう。
それでもスポーツカーが好きという方へは・・・
次の記事は、昔から「成功者の象徴」とされてきたクラウンにフォーカスしました。