トヨタ最高級「マジェスタ」
販売台数世界一となったトヨタの中でも高級車として定番シリーズのクラウン。
その中でも最上位グレードに位置するのがクラウンマジェスタです。
かつてはクラウンとセルシオの中間という位置づけではありましたが、セルシオの廃止やレクサスブランドの日本開業もあり、現在はトヨタ最高級車という位置づけとなっています。
厳密に言えば上にセンチュリーがありますが、量販セダンで頻繁に改良も行っているクラウンマジェスタの方が人気は高く、実用車の最高ランクという言い方もできます。
型落ちモデルでも充分に満足できる豪華な装備と快適な乗り心地は中古車市場でも人気が高く、下手に外車などに手を出すよりもお手軽に最高級セダンを堪能できるおすすめ車種となっています。
6代目 (S210型・2013-)
概要
初代からのマジェスタ専用ボディーではなく、14代目クラウンベースの車体となり、独立したクラウンマジェスタという車種ではなく、クラウンの中のマジェスタシリーズというグレードの位置づけに変わりました。
マジェスタの代名詞V8エンジンは廃止され、V6エンジンのハイブリッドモデルのみの設定となっています。
エアサスと本木目パネルも廃止されるなど、マジェスタらしさの個性が無くなりました。
グリルのバーをマジェスタ伝統の縦バーに採用したり、外装のメッキ部分も一部マジェスタ専用パーツを取り入れるなど差別化も行われていますが、マジェスタというよりかはクラウンという印象が強く、昔からのマジェスタファンは残念なフルモデルチェンジとなっています。
スペック
全長:4,970mm
全幅:1,800mm
全高:1,460mm
ホイールベース:2,925mm
エンジン:3,456cc(V6+モーター)
最大出力:292PS
最大トルク:36.1kgf-m
新車価格:600万円~700万円
中古車相場:500万円~600万円
賛否両論あるが、時代に沿った完成度の高い1台
6代目のフルモデルチェンジでマジェスタの独自路線が多く途絶えてしまいました。
歴代のマジェスタを乗ってきたファンからしてみれば乗る価値が少なくなったという意見も多いですが、ダウンサイジングやエコブームを考えると致し方ない事。
エアサスが不採用となったのも、通常のバネサスの性能が向上した背景と、エアサスの故障が多く修理代金も高くクレームも多かったという背景もあります。
マジェスタらしさは無くなったものの、クラウンよりも延長されたボディーに惜しみなく最高級装備を投入した新型マジェスタはこれからの国産セダンを牽引するバランスの取れた1台だと言えます。
中古車は新古車・展示車・試乗車等
発売して間もない新型マジェスタですが、早くも新古車や展示車などの中古車が市場では流通してきました。
新車で値引き交渉するよりもお買い得感が高い車もありますので、新車で検討する前に中古車検索も一度行ってみると良いでしょう。
5代目(S200・2009年 - 2013年)
概要
6代目がクラウンの上位グレードに設定された為、この5代目(S200)がクラウン・マジェスタという車種での最終モデルとなります。
先代からキープコンセプトとなりつつも、迫力のあるデザインからスマートなデザインへ変更されました。
エンジンはレクサスのLS・GSでも搭載されているV84.6Lのエンジンが採用されましたが、4WDのみスペースの都合で先代の4.3Lとなっています。
マジェスタの大きな特徴の電子制御式エアサスは全車標準装備され、カーナビと連動して減衰力を自動調整する新機能を搭載。
近代のトヨタ系高級車で評判の良い、マフラーと一体型のリアバンパーを採用し、ボディーサイズも若干大型化。8速ATも採用されて歴代最強スペックのマジェスタと言える完成度となりました。
スペック
全長:4,995mm
全幅:1,810mm
全高:1,475mm
ホイールベース:2,925mm
エンジン:V8エンジン4.6L(2WD)
最大出力:347PS
最大トルク:46.9kgf-m
新車価格:600万円~800万円
中古車相場:250万円~450万円
値落ちが大きく狙い目の5代目
高級車ユーザーがレクサスへ流れた事もあり、最強スペックとなり、高年式モデルがないにも関わらず、中古車相場の値落ちは大きいです。
200万円台でも、程度の良い型の中古車も多く、ボディーカラーが白と黒以外だと、更に割安感が高まります。
エアサス最終モデルとなった事や評判の高いレクサスLSなどと共通のエンジンを搭載された事を考えると、300万円前後の型を中古で買ってもこの先値落ちがしづらく変化してくる可能性もあります。
値落ちが少ないレクサスと比べても、同じ予算で程度の良い中古車が流通しているので狙い目の中古車となっています。
4代目(S180・2004-2009)
概要
新プラットフォームが採用されてデザインを一新。
この代よりクラウンエンブレムからトヨタエンブレムに変わりマジェスタとしての独立性が高まったモデルです。
2世代の型落ちとなった現在でも古びれた印象はなく、3代目と比べてもデザインやナビがHDDとなった要因もあり中古車としての価値は非常に高いです。
直列6気筒の3リッターエンジンが廃止されてV8エンジンのみでセルシオ・ソアラと共通の4.3Lが採用されました。
TMIよりスーパーチャージャーモデルも採用されましたが、200万円ほど価格が上乗せされる事もあり、ほとんど流通していないレアな型となっています。
最近のレクサスやクラウンのような、欧州車よりやしっかりとしたサス設定ではなく、昔ながらのクラウン系特有の柔らかめのサス設定となっています。
もちろんS180もエアサスが全車標準設定となっているので、設定で減衰力を微調整できる他、高速走行時には、当時のバネサスのクラウンとは違い、地面に張り付くような安定感を得る事ができます。
発売期間中にレクサスブランドの立ち上げやリーマンショックと重なった時期でもあり存在感は3代目以前に比べて落ちましたが、昔ながらのマジェスタの良さと、近代の高級車の良さが融合された通好みの1台となっています。
スペック
全長:4,975mm
全幅:1,795mm
全高:1,465mm
ホイールベース:2,850mm
エンジン:V8エンジン4.3L
最大出力:280PS
最大トルク:43.8kgf-m
新車価格:560万円~700万円
中古車相場:100万円~450万円
100万円台で買える高級車
中古車相場の値落ちも多く、2代前の型となる為100万円代でも低走行の程度良好の中古車が購入可能です。
エアサスや現行モデルではほとんどないHUD(ヘッドアップディスプレイ)など憧れの装備も充実しています。
注意点としてはエアサスの故障が多く、エア漏れだけは確認しておきたい車。
修理代金の相場は一本10万円弱で中古車販売店によっては、エアサスは保証対象外として販売しているお店もあります。
丈夫なエンジンに、若者に不人気だったツートンカラーの廃止やデザインの近代化など、初期モデルでは
10年落ちとなった4代目マジェスタもまだまだ第一線の高級車として充分通用する車です。